チューリップ – 君のために生まれかわろう [1972] LP

『君のために生まれかわろう』は、1972年（昭和47年）12月20日に発売された、日本のロック・ポップスグループ「チューリップ」のセカンド・アルバム（全13曲）です。

ファースト・アルバムからわずか半年で登場した『君のために生まれかわろう』は、前作に引き続きビートルズの影響を色濃く受けたサウンドで、A-⑤「雨」からはビートルズのLP『アビー・ロード』のB面のようなメドレー形式を取り入れています。A-④「早くおいで」は、初めてベースの吉田彰が作詞作曲を手がけた楽曲で、こちらはビートルズの弟バンドであるバッドフィンガーの「Rock Of All Ages」にかなり似ていておもしろいです。

B-①「君のために生れかわろう」では、ビートルズからソロになったポール・マッカートニーの「Maybe I’m Amazed」のサウンド・ワークに寄せていて、マニアでもかなりニヤけてしまうビートルズ・フリークぶりです。

シングルは「一人の部屋」がアルバム・リリースより3ヵ月前に発売されていますが、ヒットはありませんでした。

『魔法の黄色い靴』『君のために生れかわろう』の2枚は、チューリップがビートルズなど好きな音楽（B-②「箱入り娘」がThe Monkees – Daydream Believerの影響を受けているなど）をそのまま体現して、やりたいことをやり切ったような佳作ですが、ヒットがまったくなかったことで次作のシングルがヒットしなければ、地元である福岡県に帰らなければいけないという試練に追い込まれました。

君のために生まれかわろう [LP] のデータ

出典：君のために生まれかわろう [LP] の内ジャケット

1972年のチューリップ②

出典：LP『君のために生れかわろう』に付属していたチューリップ新聞

1972年（昭和47年）6月9日、チューリップは『イレブンPM』という深夜番組の出演、同月30日には、九州でのコンサートツアーがはじまりました。

7月7日、『チューリップ独演会』が青山タワーホールで開催されました。

7月25日からは、北海道・東北でのツアーを開始、9月には日比谷野外音楽堂での『ピクニック・コンサート』に出演し、同月20日にはセカンドシングルとなる「一人の部屋」がリリースされました（ヒットチャートでの動きなし）。

10月27日、『落葉散歩道』と題されたコンサートが神田共立講堂で開催され、チューリップも参加しました。

11月29日には、愛知県民体育館にてT-Rexの前座として出演しました。

12月14日には、『第11回チャリティー・ショー・フォーク・フェスティバル』が神田共立講堂で開催され、参加。

12月20日、この『君のために生まれかわろう』LPが発売されましたが、ヒットはありませんでした。

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