![チューリップ – TAKE OFF(離陸) [1974] LP](https://japansong.jp/wp-content/uploads/1974/04/takeoff.jpg)
チューリップ – TAKE OFF(離陸) [1974] LP
『TAKE OFF(離陸)』は、1974年(昭和49年)4月5日に発売された、日本のロック・ポップスグループ「チューリップ」のサード・アルバム(全14曲)です。
今までヒットがまったくなかったチューリップでしたが、前年1973年に発売したシングル「心の旅」が初のナンバーワン・ヒットとなり大成功をおさめた状態での海外録音作品(ロサンゼルスのサンセット・スタジオ)です。
先行シングル「銀の指輪(オリコン15位)」がアルバム未収録ですが、のちにシングルカットされた「青春の影(オリコン46位)」をはじめ、タイトル『離陸』にふさわしい飛ぶ鳥を落とす勢いの5人の「ビートルズのようになりたい」という夢に手が届く寸前の高揚感が全体を包んでいます。
A-①「TAKE OFF」は初の英語歌詞のナンバーで、37秒と短いですが世界でも通用するメロディで勝負しようとする彼らの意気込みが感じられます。A-②「明日の風」やB-④「愛は不思議なもの」は当時のポール・マッカートニー(ビートルズ)が率いていたウィングスというバンドの『レッド・ロード・スピードウェイ』のB面メドレー「Hold Me Tight~Lazy Dynamite~Power Cut」のサウンドに寄せていて、両グループ・ファンを喜ばせました。
安部俊幸・姫野達也のペンによるA-⑤「サンセット通り」は隠れた名曲で、当時レコーディングしていたサンセット・スタジオがある「サンセット・ブルーバード」にちなんで名づけられています。
その他、ビートルズの弟バンド『バッドフィンガー』の「スーツケース」のサウンドに似た吉田彰・安部俊幸のA-⑥「おしえてくれ」、シングル「銀の指輪」のB面であるA-⑦、ビートルズの「マーサ・マイ・ディア」風のピアノイントロが印象的なB-①、ビートルズの「ザ・ロング・アンド・ワイディング・ロード」をモチーフにしたB-③「青春の影」をはじめ、前作2作に比べるとマニアックなビートルズ色というよりかは、ビートルズが大好きな財津和夫の希代のメロディメイカーぶりが花開いた、随所に心に残るメロディが散りばめられた名曲揃いのアルバムです。
TAKE OFF(離陸) [LP] のデータ
![TAKE OFF(離陸) [LP] の付属パンフレット](https://japansong.jp/wp-content/uploads/1974/04/tuliptakeoff3.jpg)
出典:TAKE OFF(離陸) [LP] の付属パンフレット
A面 | |
1.TAKE OFF | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
2.明日の風 | 作詞:安部俊幸 作曲:姫野達也 |
3.そんな時 | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
4.見すごしていた愛 | 作詞:上田雅利 作曲:財津和夫 |
5.サンセット通り | 作詞:安部俊幸 作曲:姫野達也 |
6.おしえてくれ | 作詞:吉田彰 作曲:安部俊幸 |
7.セプテンバー | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
B面 | |
1.あの、ゆるやかな日々 | 作詞:安部俊幸 作曲:姫野達也 |
2.ハートせつなく | 作詞:安部俊幸 作曲:安部俊幸 |
3.青春の影 | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
4.愛は不思議な物 | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
5.悲しみはいつも | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
6.ぼくは陽気なのんきもの | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
7.笑顔をみせて | 作詞:財津和夫 作曲:財津和夫 |
1974年のチューリップ①

出典:季刊ポッポ’74 No.6
1974年(昭和49年)チューリップは、1月6日に「ライブ・アクト・チューリップ お年玉コンサート」を開きました。
同月16日、大阪でコンサート(大阪フェスティバルホール)。17日には全国ツアーに出発(前半は九州地区)20日まで続きました。
同月20日には、6枚目となるシングル「銀の指輪(オリコン15位)」を発売。
2月9日から22日まで、北陸と近畿地区のコンサート。3月19日には東京でコンサート(新宿厚生年金会館)21日には、「ライブ・アクト・チューリップ銀の指輪」が中野サンプラザで開催。
3月24日文京公会堂、26日立川、27日豊橋、28日名古屋、29日高松にてコンサートを敢行。
4月5日には、このサード・アルバム『TAKE OFF(離陸)』がリリース。10日は名古屋、15日から18日まで北海道地区でコンサート、21日から24日までは関西にてコンサートツアーがくり広げられました。